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プロジェクト開始に向けて、角舘さんからのメッセージ

2020.10.23

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人と人とが対話することで生まれる「交換」が好きで、僕は今でもたくさんの人たちとたくさんの会話をします。
言葉や意思、考え方や哲学は、対話とその記録によって広く拡がっていきます。僕の所属しているバンドでは、そのバンド内でしか通用しない隠語(スラング)が、ある日、突然たった4人の中だけで流行します。誰が最初に言い始めたかはさておき、とにかくたくさんのスラングが生まれ、また廃れて忘れられてきました。
対話や共にいる時間が多ければ多いほど「交換」は行われ、自分の見えないところで周りの人からたくさんの影響を受け、そして与えています。対話で生まれる「交換」はポジティブな面だけではなく、ネガティブな言葉や考え方も「伝染」します。SNSが蔓延した今の時代では、良いものも悪いものも・正しいものも相応しくないものも、どばどばとスマートフォンを介して流れ込み「伝染」します。どの意見が正しくて、どの批判が相応しくないのか。自分では判断ができないほどに、めまぐるしく情報の海は巨大な渦を巻いています。しっかりと自分で情報の取捨選択をしていても、強烈な情報は否が応でも割り込んでくるので、なんだかその激しさと、家でのゆったりとした時間のギャップにどきまぎしてしまいます。昨日まで正しかったものが、なんだか今日は不正解な気がする。それを確かめないと確実に前に進むことはできない。そんなことを日々考えます。

話を少し変えます。人を人たらしめる瞬間に出会う時、魂が情熱に震えます。僕を僕たらしめる瞬間は「音楽・旅・対話」の3つです。放浪癖のある僕にとって旅をすることは、作品を作る上でとても大事な要素です。旅は遠くから日常を見つめ直すことができます。帰国後、ずっと気にかけていたことが泡のように消え失せていることがあります。その時、よかったとほっと胸を撫で下ろす。その瞬間を愛して止みません。しかし、現在旅をすることはできません。代替案でドライブによく出ますが、旅への鬱憤は旅でしか晴らすことはできません。酒飲みが酒を浴び飲むようにせざるを得ないことが制限されるのは妙な苦しさのひとつです。毎月各地でライブに勤しんでいた僕にとって、今はまさに「できない苦しさ」の中にいます。読んでいるあなたもそうだと思います。

現在の音楽の形に関しては、たくさんの音楽家たちが議論していますので割愛します。ただ、相変わらず僕は音楽です。最終回で、現在における音楽への美しい答えが出たら素敵だと思っています。

対話は相変わらず僕にとって、なくてはならないものの一つで、マスクをしながらの会話にも少し慣れを感じてきました。旅と同様、頑固で愛すべき湾曲した思考がぽろっと音をたてて剥がれ落ちたりします。後日、相手に対して感謝を言いたくなります。目を見ながら話したり、自分の生い立ちを説明したり、その人の背景に思いを寄せながらする対話は「旅に似た何か」だと思います。

つらつらと長い言葉を連ねましたが、この辺でまとめると。 「僕と会いたい人の間に流れる、ひたひたな甘美なる時間を絞り出し、その一滴を、正しい! とあっけらかんに笑い 喜ぶ」といった企画です。対話を通じてお互いの思考の海を旅し合う「Mind Journey」とでも言いましょうか。常日頃から、友達のアーティストとやっていることですが、それをCINRAとBrooklyn Breweryの力を借りて大きくしてみようと思ったわけです。
僕と、どうしても会いたかった彼女や彼の言葉のFusionが、 あなたのあしたに彩を添えることを祈ってます。

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